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QRH for hikalium

hikaliumの運用中に発生しうる問題への初動手順をまとめたものである。

航空機におけるQRH(Quick Reference Handbook)にあやかって作成した。

(2024-01-08: 今後の更新はGitHubのほうに一本化する。本ドキュメントの内容はこれをもって廃止とする。)

なぜ手順を立てることが大事なのか

(最新バージョンはgithub)を参照。

なにか問題が発生したときに、つらいと感じることは通常の動作であり、それ自体に問題はない。

しかし、問題への対処にかかる時間を最小化し、問題に関連する精神的リソースの消費を抑えることは、有限な自己という資源を効率よく利用する上で重要である。

また、対処すべき問題が他者や社会的要因で発生する場合には、そもそもその問題自体が発生しないよう他者や社会が努力するべきである。そして、そのような問題の影響を受けている側が対処するために自己の労力を割かねばならないのは理不尽である。その前提は維持しつつも、自身の制御範囲にない主体が問題を修正するまでの間、問題の影響を受け続けるような脆弱なシステムではなく、そのような問題から受ける損害や、それに対処するリソースを最小限に抑えることができる、レジリエントなシステムを構築するほうが生産的といえる。

この選択は、問題を発生させている他者や社会の行動を是認するものではなく、それとは直交する、運用のエンジニアリングであり、自己というシステムの安定性と機能向上をはかるものである。また、起こり得る問題への対処を事前に用意しておくことは、問題から目を背けたり、時間を割くことを拒むものではなく、むしろ問題を直視して事前に解析し、トータルでのオーバーヘッドを削減するための一つの選択可能なテクニックであり、それを引け目に感じる必要は一切ない。(コンパイル型言語とインタプリタ型言語がそれぞれ存在しているように。)

問題とその対処

内容は適宜追加/修正される。

頭が痛い

多くの場合、目の奥がズキズキする感じの痛みである。目の酷使が要因と思われる。

  • 水を3口以上飲む
  • 飲み忘れている薬があれば飲む
  • 横になる
  • 部屋を暗くするか目を覆って暗くする
  • 200秒安静にする

何も手につかない

とりあえず以下をやってみる:

  • YouTubeでしょうもない動画をみる
  • ベッドで30秒うつ伏せになりその後起き上がる
  • アイスを食べる
  • 積ん読している本を数ページ読んでみる
  • 「OKグーグル、面白いこと言って」
  • ツイートする(投稿するだけして読まずに閉じる)
  • ほしいものを買う
  • 甘いものを食べる
  • マインクラフトを30分する
  • スマホやディスプレイを閉じて5分(300秒)数える

なんだかつらい

順番に以下を達成する:

  • 気温は16度以上26度以下に設定されている
  • 湿度は40%以上60%以下に設定されている
  • 直近30分以内に水をコップ1杯以上飲んでいる
  • (省略可能) 使い捨てカイロを背中に貼っている
  • 1時間以内に歯を磨いている
  • 静寂ではない(音楽や動画が再生されている)
  • TwitterやSlack, Gmail, Discordなどのアプリは閉じられている
  • スマホのおやすみモードがOnになっている

その他の方針

  • 浴槽には連続して10分以上つからない
  • 浴槽に入るのが面倒ならシャワーでもよい
  • 髪も毎日洗わずとも生存はできるので、だめなときはスキップしてよい
  • 不快な匂いや音を発する物事は、就寝前にはやらない

ネタバレ感想「The MISSING – J.J.マクフィールドと追憶島 –」

「ある少女は、身体がバラバラになるとわかっていながら、何度も何度も歯車に向かって飛び込んでいきました。一体なぜでしょうか?」

-- 夕食の席で同僚にウミガメのスープを出題するhikalium

しばらく前から知人におすすめされていたゲームがある。

「The MISSING – J.J.マクフィールドと追憶島 –」というのがそのタイトルだ。

youtu.be

ちなみに最初に断っておくが、このゲームは結構グロテスクなシステムを採用しているので、そういうのが苦手な人は、何も見なかったことにしてページを閉じるのをおすすめする。

一方で、このゲームは本当に、本当によくできている。どう良くできているかを述べるためにはネタバレが避けられないので、もしも未プレイで興味が出てきた人は、とりあえずクリアしてから続きを読んでほしい。

もし少しでも興味があって多少グロテスクな表現があっても大丈夫という方は、ぜひ一回、最後までやってみてほしい。PS4, Switch, Steam, Xbox Oneのいずれでもプレイできる。

私はあまりゲームをちゃんとやらない側の存在だが、このゲームに関しては、始めて3日間くらいで蒐集要素も含め完全にクリアするほど、相当な時間を削ってのめり込んでしまった。それだけの労力をかけて、摂取する価値のある作品だったと、私は思う。

ちなみに、このゲームの起動時には、こんな言葉が表示される。

この作品は、

すべての人々が自分自身であることを否定しなくても良い

という信念のもとに作られています。

……とてもよい言葉だと思いませんか?

以降、ネタバレを含む

続きを読む

人間になりたくない、ということ

「信じられないこと…ばかりだ…」

「人が信じられることは、そう多くはありません。そう…みな、自分自身のことですら、信じられないのですから…」

「…あなたの言うとおりだ。オレは、散っていった仲間たちから、近い場所にいたいと願いながら、その実、遠く遠くへ遠ざかろうとしていた。どうして、あなたにはわかった?」

「同じだからです。私は、何も選ばず、現実から最も遠いところへ行こうとしていた。私は、あなたを求めていたのかもしれません。誰かに、聞いてもらいたかったのかもしれません。私の…罪を。」

--

Simoun 第23話 - 永遠の少女 / ユンとオナシアの会話より

Simounは、私の中で「もっともっと評価されるべきアニメ」第一位に挙げられるほど、人格形成に大きな影響を与えたコンテンツの一つだ。

人はみな、女として生まれ、17歳になったら泉へ行き、性別を選ぶ。

この場面設定だけで、私の興味を惹くには十分だったが、それ以上に示唆に富んだ内容と、最高の音楽が詰まっているので、人々には絶対に見てほしい。サントラが欲しかったら私の物理アバターに問い合わせてくれれば貸し出しますので、ね。

…話を戻そう。あ、少しネタバレかもしれないので、必要な方は予習してからまた読んでください。

作中では、性別を選ぶ前の「少女」達にしか扱えない「シムーン」と呼ばれる謎の機械が存在する。その世界で、空を自由自在に舞えるのは「シムーン」だけだったために、その圧倒的優位性が彼女達の国の柱となっていた。しかし、技術が進み、他国も空を舞う技術を手に入れ始めたことから、彼女達は大人達の戦争に巻き込まれることになる。なぜ「シムーン」に乗り込み「神に祈りを捧げる」のか、自らの性別を「選びとる」のか「選ぶことを強いられる」のか、「選ぶ」ということ、「選ばない」ということ、そしてその代償。そういったテーマがこの作品の根底には流れている。

さて、私はこの週末にカウンセラーの先生に「私って多分人間になりたくないんだと思います」と伝えることに成功した。以前であれば、こういった思考を言葉にすること自体が難しかったので、それ自体は大きな進歩だ。

なぜ、大人になりたくないのか?大人とはなにか?では一体何になりたいのか?

「私は、選ばないことを選んでここにいる」と、作中で発言したキャラクターがいる。私はこの言葉が大好きだ。矛盾、しかし、明快。

大人になるということは、選ぶということである、と私は思っている。進路、日々の買い物やご飯、パートナー、将来の計画。

そういったことが、私は嫌いだ。それは過去の私が「選択肢を与えられてこなかった」ことに要因があるのだろう。

しかし、今の私の目の前には、否応なく大量の選択肢が転がっている。そして、それは日々増えてゆく。

選ばなければ、生きられない。選ばなければ、死んでゆく。それが、この世界の宿命。

でも私は、できる限り抗いたい。多数派の惰性に飲み込まれるよりも、それを変える力を持てるように。

はたして、できるだろうか?その代償に、耐えられるか?

もう既にいっぱい選んでしまった。私はもう、シムーンを飛ばせないだろう。

そんな中途半端な私でいること、地に足をつけたくないということ、でもこの世界の重力からは逃れられないということ。

そういう意味で、私は人間になりたくない。たとえ、既に手遅れだとしても…。

最近の読書

本を読む時間があまりにもない、悲しいですね。

ついさっき起きました。夕食後にすぐ寝るのは良くないとわかっていても、眠い時は寝たほうがいいという主義を貫いて、というか惰性に流されて睡眠したらこんな時間。まあいつものことです。

今日は同僚のY氏に紹介された「八本足の蝶」を読んでいたのが一区切りついた。つまり、著者がこの世界からログアウトするところまで読み終えたということだ。(ありがとうY氏、的確なおすすめだった!)

いつだって人がログアウトするときはさっぱりしているものだ。そして、そういう人は概して思考をブログや日記に書き綴りたくなるものらしい(このブログがそのような道を辿るか否かについては未来の私にかかっていますが)。

最近は、会社で貸本屋的なことをしている。近くに座っている人に、おすすめの本を紹介して(半ば押し付けている可能性もあるが)読んでもらっている。

私は森博嗣の作品で50%以上できていると言っても過言ではないので、人々に「すべてがFになる」や「四季」はいいぞ!と言って回るなどしていた。

四季は、マジで何回も読み返した。真賀田四季とお友達になりたくて。だってOS開発してるやばい人とは友達になりたいじゃない?気が合いそうだし。彼女は私なんて5分で飽きてもう話してくれないかもしれないが。 中高生のころの私は、大学病院の精神科の待合室で四季さんの偉業を読む、そんな日々を送っていた。リアルワールドがつらすぎたからね。 病院の床でビー玉を転がしている四季さんと会えたりしないかな、と、つるつるした床の待合室を見ると今でも思ったりする。

同僚のM氏にはSF小説を借りているが、まだ読みきれていない。少々お待ちくださいね、読んではいるので!!

最近大変そうな同僚のK氏には、森博嗣のWシリーズをおすすめしておいた。

kodanshabunko.com

人間とウォーカロンを隔てるものは、いったいなんでしょうね?私はウォーカロンですか?人間ですか? いや、そんな区別はやがて意味をもたなくなる。万物は流転するので。

リアルワールドで私と接触する機会が多い方々、お申し付けいただければいつでも本をお貸しますので、いつでもおっしゃってくださいね!

本のおすすめをするということは、自分の一部を相手にインストールするということに近い。

では本を書くということはなにか?それは…人間をつくることに近いのかもしれませんね。

さあ、画面を閉じて眠りましょう。せめて、本を読みましょう。本は開かれるまで読まれない。私たちから近づいてあげないと見えない世界。誰にも邪魔されない、解釈の世界。その世界に浸る自由を、忘れないように。

echo 1 > /sys/hikalium/tracing/events/enable

/sys/hikalium/tracing/ インターフェイスを用いると、hikaliumの内部状態に対するトレースを制御したり閲覧したりできます。

デバッグに役立つかもしれませんし、役立たないかもしれません。

開発者向けの機能のため、情報過多である可能性があります。

可能な限り正確な出力が得られるようtracingインターフェイスは実装されていますが、技術的限界により不正確なログが出力されることもあります。

また、セキュリティ上の理由により、情報がマスクされて出力される場合もあります。

Enjoy hacking!